抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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リンは特に農業において必須の資源であるが,その主原料であるリン鉱石は枯渇が懸念される国家戦略物質の一つとなっており,代替資源の開発が求められている。一方,鉄鋼業においてリンは,鋼の脆化を引き起こす有害不純物であるため製鋼工程で製鋼スラグに濃縮除去される。このような背景のもと著者らは,製鋼スラグの中でも特にリン含有量の高い脱リンスラグからのリン濃縮固相の分離回収に取り組んできた。本研究では溶融状態での脱リンスラグに強い遠心力を作用させることによってリン濃縮固相を迅速に浮上分離することを目的に,遠心分離機構を備えた電気炉を作製して基本原理の確認を行った。その結果,塩基度,固相率及び粘度が低い組成の脱リンスラグは,遠心力を作用させることにより,溶融状態でリン濃縮固相を迅速に浮上分離させることが原理的に可能であることが確認された。しかし,今回の実験ではバッチ式の遠心分離器を用いており,大量に発生している脱リンスラグを実際に処理するためには,連続式のサイクロン法などにより効率的な処理プロセスを開発することが望まれる。