抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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宇宙機運用の知能化研究の多くは個別の知能化アルゴリズムを扱い,ミッションや利用できる計算機が想定と大きく異なると実用にならなかった。本論文では,宇宙機の搭載計算機にプログラムの実行環境(スクリプトエンジン)を実装し,それによって知能化技術の適用を促す深宇宙探査の工業技術実証ミッションDESTINYについて述べた。DESTINYでは,1)異常・故障検知,2)イベント駆動,3)搭載データ解析,4)動的計画変更といった知能化された深宇宙探査で必要な共通機能をスクリプトで実現する。ミッション運用の実行は必要な運用スクリプトを順次実行することで実現でき,従来のタイムライン方式の運用では不可能であった4)もミッション運用中に問題が発生したら中断,運用スクリプトの再構成,再開の一連のプロセスで可能になることを説明した。実際に7個の運用要素からなるミッション運用では順列組合せで5040通りのシーケンス候補が生じるが,シーケンス順変更検索アルゴリズムとして実験計画法を適用することで候補を7個に絞り込めた事例を示した。深宇宙探査ミッションでは宇宙機の状態把握に時間がかかるので,搭載機が自律的に状況に合わせて振舞いを変え,限られた時間でより多くの観測結果を取得する意義を論じた。