抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2011年東北地方太平洋沖地震津波の被害を受けた宮城県名取市閖上浜における海岸クロマツの生長履歴と,津波発生後におけるクロマツ林内の表層土の粒度特性およびpHについて予察的に検討した。さらに,鹿児島県吹上浜の健全区と被害区においても閖上浜と同様の調査を実施し,両海岸地域で得られたデータの比較を行なった。得られたおもな結果は以下の通りである。(1)年輪幅指数の平均値は,閖上浜1.06(調査期間1989~2011年),吹上浜健全区0.88(同1991~2011年),吹上浜被害区0.84(同1996~2011年)であり,クロマツの肥大成長量の平均値からみると閖上浜が最も大きかった。(2)表層土のpHは,閖上浜では前砂丘から林帯内まで汀線からの距離に関係なく約8であるのにたいし,吹上浜では,前砂丘のpH(約8)に比べると内陸側における林帯内のそれは低い値(6~7)であった。pH値から判断すると,津波被害後の閖上浜における海岸林の生育環境は吹上浜のそれに比べ厳しいと考えられた。(3)閖上浜における表層土の中央粒径の平均値は0.34mmであり,この値は吹上浜の健全区と被害区における表層土の中央粒径の平均値0.30mmおよび0.29mmに比べるとやや大きかった。さらに,閖上浜と吹上浜で表層土の粒度組成を比較すると,閖上浜の方が粗砂の割合が高く,細砂の割合が低かった。(著者抄録)