抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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流路の形成が界面沈降速度に及ぼす効果については,これまで明らかにされていない。ここでは,体積濃度が気泡上昇によって形成される鉛直流路の形状や流路内を流れる流量に及ぼす効果を検討した。具体的には,読取顕微鏡に接続されたモニターに映し出された画像から界面沈降速度,流路径,流路数を測定した。さらに,これらのデータに基づいて流路内を流れる流量を算定し,Hagen-Poiseuille式から求めた流路の流量と比較した。得られた結果は以下の通りである。固体体積濃度1.1~4.0%では,人工的に気泡上昇させないと鉛直流路が形成されなかった。固体濃度の増加にともない,鉛直流路数は著しく減少するが,一方流路径は増加する。その結果として,体積濃度2.2%で界面沈降速度のピークが見られた。次いで,土粒子間の接触による支持力の効果が無視できるとして,体積濃度ごとにHagen-Poiseuille式を用いて沈降速度から算定した平均流路径(流量径)と実測径との関係を比較した。体積濃度2.2%以下の低い固体濃度では,気泡上昇流による流路径は実測径とほぼ一致したが,2.2%を越える高い固体濃度では算定された流量径は,実測流路径より著しく小さくなった。この事実から,土粒子間の接触による支持力の重要性が示された。(著者抄録)