抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本が更に発展するためには,学術研究や技術,文化や思想といった固有の知的な資源を重視するとともに,それらの維持,発展を担う人材を育成することが求められる。各大学では,さまざまな形式のアクティブ・ラーニングを取り入れた授業を展開している。長崎大学では,ジェネリックスキル育成に重点をおく新たな学士過程教育への転換を急ぐために2012年度に教養教育カリキュラムを刷新し,これまでの人文科学・人間科学・自然科学の分配配分型から,特定テーマの科目群を履修する学習コミュニティ型に変更し,現代的なテーマを掘り下げながらアクティブ・ラーニングを推進する方式を導入した。そして,教養科目の実習主体の授業において,レポート課題の成果を当該科目未履修の友人に評価してもらうことを試みた。学生は,電子書籍オーサリングソフトSigil上で,リフロー型EPUB(Electronic PUBlication)電子書籍を扱いながら基本事項を学習し,レポート課題に取り組む。完成したEPUB書籍をレポート課題の成果として提出させるとともに,この科目を履修していない友人二人以上に見せ,その友人らがどのように反応したか,またその反応を聞いて(見て)どのように感じたかを300字以上で報告させた。本稿では,他者評価がもたらす教育効果について,学生の報告文を引用しながら分類した。それらの報告を教育効果の観点から解釈すると,向上心の喚起,意識の変化,他者評価の価値,レポート課題の改善に分類することができ,友人による評価は,明らかに課題への取り組み姿勢にプラスの影響を与えていることがわかった。