抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水生植物等は生育するときに窒素やリンを吸収し,酸素供給等の浄化機能を有し,湖沼等閉鎖性水域の水質汚濁の改善に貢献すると考えられる。一方,生育した水生植物等が閉鎖性水域内で枯死した場合,CODや窒素,リンなどを溶出し,水域内を汚濁する可能性があり,水質汚濁や水質制御の観点から水環境における重要な課題と考えられる。本研究は,水生植物等の枯死の閉鎖性水域における水質汚濁への影響について実験研究を進めたものである。その結果,水生植物等は枯死すると水質汚濁に大きく影響を及ぼし,種類によって水質汚濁(COD上昇,T-N溶出,T-P溶出)への影響は異なることが明らかとなった。たとえば,CODについては,セキショウモが44.8gCOD/kg,T-Nについては,セキショウモが5.03gT-N/kg,T-Pについては,ヒシがとくに大きく2.53gT-P/kgであった。水域におけるCOD,T-N,T-Pいずれについてもほとんどが溶解性の形で存在することから,閉鎖性水域において水生植物等が枯死することで汚濁された水域の水質保全には困難が伴うことが示唆された。さらに,水生植物体の一部は残渣として水域内に堆積し,有機性汚泥となることから,水生植物等の水域内での枯死や残存堆積は水質保全上好ましくないことが推察された。(著者抄録)