抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2013年10月11日にマリアナ諸島付近で発生した台風第26号(Typhoon Wipha)は,発達しながら日本の南海上を,その後,関東の東海上を北上し,16日温帯低気圧に変わった。これにより西日本から北日本の広い範囲で暴風,大雨となった。特に東京都大島町では大規模な土砂災害が発生し,死者35名,行方不明者4名をはじめ,東京都,千葉県,神奈川県,静岡県で多数の死者が出て,中国地方から北海道の広い範囲で各種被害が発生した。ここでは,東京都大島町を対象に,豪雨の特徴,土砂災害の概要を速報として報告している。そして,伊豆大島では,火山災害に対する防災計画が主体で,豪雨による火山灰土質がもたらす土砂災害に対して十分な防災計画を立案していなかったことが被害を大きくした要因の一つに上げられる。1991年の雲仙普賢岳の噴火後の土石流災害や,2012年の熊本県阿蘇地方の土石流による災害も本災害と同様な特徴を有している。その後生じた土砂災害による被害の教訓を十分に活かすことが出来なかった。火山地域で発生している近年の土砂災害の事例を参考に,防災計画を再検討する必要がある。また,豪雨時の避難情報の伝達,避難行動の是非について,防災計画とも連動して再構築が求められるとしている。