抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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合繊ミシン糸の油剤処理は,その可縫性を高める上で,必須の加工である。本研究では,合繊ミシン縫い糸に適用される油剤処理の効果を,実際に縫製することなしに,評価するための方法を提案した。工業的な高速度縫製においては,布と針の間の摩擦により針温度が上昇するために高温度条件下の摩擦特性が重要と考え,温度制御可能な加熱金属シリンダとミシン糸との間の摩擦特性によって油剤処理効果を検討した。使用したミシン糸は,ポリエステルのフィラメントミシン糸で,2種類のシリコーン系油剤を用いて,2段階の工程により各種条件の油剤処理が行われた。金属シリンダとミシン縫い糸との摩擦特性は,シリンダの温度が低い場合(100°C以下程度)には,油剤量の影響は明瞭ではなかった。しかしシリンダ温度が高くなると,急速に油剤効果が観察されるようになった。本研究における計測可能な上限は,約200°Cであった。この温度レベルにおいても,摩擦特性による油剤効果は可縫性とある程度の対応はあったが,加熱シリンダを用いる方法は,縫い糸素材の融点に近い温度域の計測により,ミシン糸の油剤効果を詳細に評価できる可能性のあることが推定された。(著者抄録)