抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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文部科学大臣の検定を経た教科用図書(以下,検定済教科書とする)のデジタル化が関連法規定・制度の改正も含めて文部科学省を中心に検討されている。しかし,検定済教科書のデジタル化は,著作物の権利処理の複雑化や大幅なコスト増が予想されるなど課題が山積している。著作物の権利処理の複雑化やコスト増大は,検定済教科書のデジタル化それ自体の停滞を招く懸念があるほか,デジタル化された検定済教科書の品質向上や二次利用等での有効な活用に支障をきたす可能性もある。また,検定済教科書のデジタル化にあたっての制度改正等には複雑な利害関係の調整が必要と考えられ,そうした利害関係が検定済教科書のデジタル化を阻む要因となっている。そこで,本稿では検定済教科書のデジタル化の課題について,まず先行研究や関連法規定・制度,現状のデジタル教科書の実態等を整理した。そして,現行の紙媒体の検定済教科書をほぼそのままの形で発行しつづけることを前提に,それとは独立して検定済教科書のデジタル化を推進するための著作物の権利処理とデジタル(検定済)教科書の無償化やオープンアクセス化について,関わる利害関係の調整等も考慮しつつ,その可能性を検討した。(著者抄録)