抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アプリケーションの可用性や実行性能向上を目的として,利用者の拠点の計算資源と遠隔のクラウドの計算資源を併用するハイブリッドクラウドが注目されている。ハイブリッドクラウドを効率よく活用するためには,ローカル資源とクラウド資源に対して処理を適切に割り当てることが重要な課題である。本稿では,ハイブリッドクラウド上でのHadoop処理の性能評価結果について報告する。本性能評価では,Amazon EC2の2つのリージョン(ap-northeast-1およびus-east-1)および国立情報学研究所の研究クラウドを用いて,3種類のハイブリッドクラウドを構築し,Hadoopベンチマークプログラムの実行時間を測定した。またハイブリッドクラウド上での実行時間予測モデルを作成し,実測結果との比較を行った。本性能評価の結果,2つのことが明らかになった。1点目は,ローカル資源に加えて遠隔のクラウド資源を利用することにより,アプリケーションプログラムの実行時間削減が期待できる。2点目は,ベンチマークプログラム実行中の通信時間の大きい場合では,実行時間予測結果と実測結果の誤差が大きいことである。後者については,実行時間予測モデルの通信時間の予測に改良の余地があることがわかった。(著者抄録)