抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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【目的】現在の学術雑誌流通の主流は,Big Deal契約に基づく購読型電子ジャーナルである。しかし今後のあり方については様々な議論があり,オープンアクセスジャーナルが主流になるとの予測もある。本研究の目的は,学術雑誌全体におけるオープンアクセスジャーナルの位置づけの変化を定量的に明らかにし,今後のオープンアクセスジャーナルのあり方を検討することである。【方法】3種類の調査を行った。調査1):主たるデータとしてUlrichswebから,2011年末までに出版されたSTM分野の学術雑誌38,803件の情報を抽出した。このデータを用いて,2011年時点の学術雑誌全体に占めるオープンアクセスジャーナルの割合を調べた。調査2):大手商業出版社5社の雑誌価格リストと各社のホームページ等の情報から2つ目のデータを抽出した。主要なデータと2つ目のデータから,各年に創刊された学術雑誌全体に占めるオープンアクセスジャーナルと購読型学術雑誌のタイトル数の推移を調査した。調査3):オープンアクセスメガジャーナル19タイトルのWebサイトの情報から,オープンアクセスメガジャーナルの現状を調査した。【結果】主な結果は以下のとおりである。1)STM分野の学術雑誌全体に占めるオープンアクセスジャーナルの割合は,2011時点では14%であった。2)STM分野の学術雑誌創刊数全体に占めるオープンアクセスジャーナルの割合は増加傾向にあった。創刊されたオープンアクセスジャーナルの大部分は,オープンアクセス出版社から創刊されていた。Nature Publishing GroupやSpringerなどの一部の大手商業出版社において,2010-2011年以降,オープンアクセスジャーナル創刊数が購読型学術雑誌創刊数を上回っていた。3)オープンアクセスメガジャーナルが2011年以降に相次いで創刊されていた。以上から,2011年時点ではオープンアクセスジャーナルはまだ学術雑誌の主流ではないが,新しい学術雑誌事業として出版社に認められる存在となっていることが明らかになった。(著者抄録)