抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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筆者らは,卵白を独自の酵素分解法でペプチド化することにより,水溶性に優れた卵白ペプチド「ランペップ」を開発した。ランペップは加熱変性を起こさないため,幅広い用途への展開が可能である。本稿では,血流改善とサルコペニア予防に関する検討結果を紹介した。ランペップはヒトで運動時皮膚血流量を増加させ疲労を軽減することが認められており,血管拡張作用が考えられる。血管拡張のメカニズムの一つとしてNOによって引き起こされる経路がある。NO合成酵素(eNOS)を過剰に発現させた安定発現細胞株を用いた実験で,ランペップのeNOSを介したNOの産生促進が明らかとなった。ラットの実験では,ランペップは血圧,心拍数には影響を与えず血管拡張作用で末梢血流量増大に寄与すると示唆された。血流改善には,細胞試験でランペップ,マカ,亜鉛の同時添加で顕著な相乗効果を認めた。3種を組み合わせたサプリメントを作製してヒトでも検証した。サルコペニア予防に関しては,筋芽細胞増殖促進および筋萎縮関連遺伝子の発現抑制を介して,筋量を正に制御する可能性が示唆された。現在,動物実験でランペップ経口摂取による筋肉への効果を検証している。