抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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今後,再生可能エネルギー(RE)電源が電力系統に大量導入されることが予想される。特に太陽光発電やウィンドファームでは発電時に二酸化炭素を排出しないことから,さらなる導入の促進に向けた施策が講じられている。一方,RE電源は出力が天候に左右され不安定であることや出力予測が困難であるなどの特徴があり,このような扱いにくさを解決するための手段として,蓄電池の利活用が検討されている。また,その際に用いられる変動補償装置としては応答性の高い電気二重層キャパシタ(EDLC)やリチウムイオン電池(LIB),ナトリウム・硫黄電池(NAS)など様々なものが検討されている。著者らは,RE電源および電力系統の広域運用を考慮した新しい運用制御システムの開発を目的として,環境省の委託事業「風力発電等分散型エネルギーの広域運用システムに関する実証研究」において,北海道内の複数のRE発電所の出力変動をEDLC,LIB,NASの3種類の蓄電池と,出力可制御電源であるバイオガスエンジン発電機を組み合わせた効率的な出力変動抑制技術を開発してきた。本稿では,複数の蓄電池を含む広域運用システムにおいて発生していた各蓄電池の充放電の同時発生を防止するための制御手法を提案した。また,複数の蓄電池で出力変動補償システム構成する際の各蓄電池の容量についても,導入費用の観点から最適設計を試みた。現状の価格においてはEDLCとLIBは本制御システムにおいてほとんど貢献できないことを確認した。また,たとえEDLCやLIBの価格が下がったとしてもNASの優位性は変わらなかった。