抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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表土を除去することなく,現地で放射性セシウムを効率的に回収する方法について検討した。土壌中のセシウムのうち,イオン交換可能な状態のものを,土壌に塩溶液を循環させることにより可溶化した。循環には0.5M酢酸アンモニウムを用いた。一方,土壌に強固に結合したセシウムについては,多くのセシウムが吸着している表面積が大きい粒子径の小さなものを同時に回収することで効率的に除去することを試みた。多数のパイプから塩溶液を土壌中に注入し,土壌表面に浸出してきた溶液を吸入用パイプで吸いこみ循環させ,流出してきた土壌微粒子を回収した。循環時間は1時間とし,これを2~3回行った。ろ液,微粒子,残った土壌に分け,ろ液はそのまま,微粒子と土壌は140°C,20時間乾燥して乾燥質量を測定した後に放射能を測定した。循環液に水を用いた場合可溶化してくる放射能は3%程度とあまり多くはなく,微粒子として回収された土壌には16%程度の放射性物質が含まれた。循環液に酢酸アンモニウムとアルギン酸を用いると,循環液に12%回収され,総除去率は42%で,このとき除去された微粒子の質量は全体の18%であった。このことは,回収された微粒子により多くの放射性物質が吸着していることを示している。(著者抄録)