抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,ポリプロピレン/ガラス繊維複合材料の引張強さおよびウエルド部の強さに及ぼす炭酸カルシウム(CaCO
3)粒子分散の影響を実験的に検証した。得られた結果は次の通りである。1)PP/GFにマイクロサイズの炭酸カルシウム粒子を分散させた場合,引張強さはPP/GF複合材料と比べて向上し,ナノサイズの粒子径ではマイクロサイズの粒子より高い向上効果を示した。2)PP/GFにマイクロサイズの炭酸カルシウム粒子を分散させるとウエルド部の強さはPP/GFと比べて低下した。PP/GFにナノサイズの炭酸カルシウム粒子を分散させると同値はPP/GFと同程度以上となった。3)ウエルド部を設けない場合の破断面観察結果より,PP/GFおよびPP/GF/CaCO
3複合材料では繊維の引抜けが観察された。4)これより,ウエルドを設けない場合のPP/GFの破壊に対する条件は繊維の引抜きが支配的であり,PP/GF間の相互作用に依存していると考え,力学モデルを考案し,検証結果より,PP/GF複合材料の引張強さは繊維の引抜きで説明できることを見出した。さらに,本モデルを用いて炭酸カルシウム粒子分散による引張強さ向上メカニズムを考察した。5)ウエルド部を設けた場合,破断面にはPPとGF界面がはく離していることがわかった。これより,ウエルド部を設けた場合のPP/GF複合材料の引張強さはPPとGFの界面に生じる熱残留ひずみと母材の引張弾性率から予測が可能であることを見出した。