抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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沿岸前線(coastal front)は顕著な水平温度勾配(5~10°C/10km)を有し,「明瞭な低気圧性の水平風変化を伴う浅い(一般的に1km以下)メソスケール前線帯」であると定義されている。典型的な沿岸前線は陸上が冷たく,海上が暖かい状況で海岸線に沿って形成され,水平規模は数百kmに及ぶこともある。また,局地循環としての風の日変化のみが成因では無く総観規模の風が重要である。元来,アメリカ東海岸のニューイングランドで冬季に温帯低気圧が接近する時に海岸で形成される局地前線を指した。日本ではアメダスデータを使った統計解析から,関東平野の沿岸前線の気候学的特徴の研究がある。アメリカ東部のアパラチア山脈東側の地域における南北に連なる山地の東側に位置する海岸平野部で冷たい北寄りの風が強化される現象は「CAD(冷気のせき止め)」と呼ばれるが,全ての沿岸前線とCADが同時に発生しているわけでは無く,別の現象である。アメリカ東海岸の沿岸前線の事例をやや詳細に紹介した。