抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1980年代からコゲラの都市緑地への定着が確認されはじめたが,その理由については明らかになっていないのが現状である。都市緑地におけるコゲラの営巣環境についての研究はいくつかあるが,採食に焦点をあてたものは少ない。そこで本研究では,都市緑地においてコゲラの採食に焦点をあて,コゲラの採食木の特徴を明らかにすることを目的とした。コゲラの営巣・採食に利用するといわれている,枯れ木の管理手法が異なる2つの都市緑地において,コゲラの採食木について調査を行った。調査地は,埼玉県立大宮公園と国立科学博物館附属自然教育園である。前者では,枯れ木は残さない管理手法をとり,後者では園路以外の場所においては,枯れ木は伐採せずそのまま残す管理手法をとっている。調査は,環境調査,採食木調査,個体数調査を行った。調査の結果から,採食木に対する樹種選択と採食木の特徴を検討した。採食木に対する樹種選択にはIvlev(1961)の選択性指数を用い,樹種ごとに選択性指数を算出した。その結果,正の選択性がみられる樹種と負の選択性がみられる樹種が存在した。樹木の特徴については枯れ枝があるが,腐朽や空洞のない生立木で採食が多く確認された。しかし,枯れ木の量の違いからコゲラの採食木や個体数に大きな違いは見られなかった。(著者抄録)