抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電子部品の放熱材料として,高熱伝導性の有機繊維クロスを用いた研究を紹介する。スーパー繊維の一つであるPBO繊維は,繊維方向にスチール以上の熱伝導率を持つ絶縁性有機繊維であり,耐熱性も高い。これを用いて放熱シート及び繊維強化プラスティック基板(FRP)を試作した。熱伝導率をキセノンフラッシュアナライザーによる熱拡散率測定と水中置換法による密度,示差熱走査熱量計による比熱の測定結果から算出した。また,絶縁抵抗,絶縁破壊電圧,誘電率の電気的特性を測定した。さらに,基板上に電子部品を模擬して実装したヒーターを発熱させたときの温度上昇を測定した。面内方向には10W/(m・K)程度の高い熱伝導性を有する絶縁性の放熱シート及びFRP基板用放熱材料を構成できることを確認し,プリント基板に適用して電子部品の温度上昇を抑えられること,また,PBO繊維クロスを起毛することで厚さ方向の熱伝導率が改善できる可能性のあることを示した。熱伝導率に異方性が大きく特性改善の余地が残ること,スーパー繊維は高価でコストが高く,高強度のために加工が難しいなどの課題がある。