抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1988年にカリフォルニア州で導入されたOBD(On-Board Diagnostics)規制によってセンサやアクチュエータへの配線の断線や動作しているか否かを診断する必要性が生じ,エンジンに信号処理が適用されるようになった。本論文では,1)空燃費センサの劣化診断,2)失火検出,3)クランク角センサ信号からの燃焼状態推定を目的とした信号処理を実現するフィルタ設計について述べた。1)では窓関数法によるとフィルタの周波数-ゲイン特性が脈動するので,誤検知防止のために奇数次数と偶数次数のフィルタの係数の平均を係数とするフィルタを用いた。2)ではクランク角センサの歯車の製造ばらつきやエンジンの原則と失火を区別するために,フィルタ係数に必要な条件を代数的に求めた。3)では回転角速度を微分すれば燃焼トルクは求められるが,安定なトルク推定を実現するために燃焼に同期した周期性に着目し,回転速度をその周期の三角関数としてフーリエ級数展開して,離散信号を三角関数の和として近似した連続関数を微分することで微分によるノイズ増幅を避けた。1)~3)で設計されたフィルタはいずれも微分フィルタであるが,アプリケーションの特徴に応じて様々な実現方法があり,ローパスフィルタを用いる場合の煩雑な作業から解放される利点を示した。