抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
熱帯低気圧熱ポテンシャル(TCHP)は,26°C等温線の海面からの深さからの海洋の熱容量の総和によって計算される測定可能な指標である。気象庁のMultivariate Ocean Variational Estimation (MOVE) Systemによって計算されたTCHPを2002年から2012年の期間にプロファイリングフロートによって現場観測された値で計算されたTCHPを用いて検証した。検証の後,熱帯低気圧(TC)の発達のきっかけとして適した経路以前のMOVEを基にしたTCHPの閾値を1985年から2012年の中心気圧が低下した直近6時間の経路(ベストトラック)によって決定した。閾値は,TCHP binにおける,総経路数記録に対するTCの発達に関する経路記録の数の比率が各々の領域でも有意水準0.05より優位に大きい場合にTCHPの最小範囲として特定した。閾値は北緯5度から10度,東経120度と140度周辺では比較的低く(40-60kJ cm<sup>-2</sup>),北緯15度から20°C周辺では比較的高い(80-100kJ cm<sup>-2</sup>)。北緯5度から10度周辺では,3-5,そして7-9cms<sup>-1</sup>においてそれぞれの移動速度比に2つのピークが見られた。前の事例は台風マイク(1990)が典型例となる比較的低いTCHP(<80kJ cm<sup>-2</sup>),一方後者は台風ハイヤン(2013)が典型例で,比較的高いTCHP(>120kJcm<sup>-2</sup>)下でより急速に強度を増し中心気圧が最低へ到達した。Copyright 2015 The Oceanographic Society of Japan and Springer Japan Translated from English into Japanese by JST.