抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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無線センサノードからのデータをサーバへ到達させるための中継ネットワークとして,IEEE1905.1のように無線通信だけでなく有線通信も併用したネットワークを想定している。特に,無線通信にIEEE802.15.4,有線通信に電力線通信を搭載した中継器を研究開発し,双方の通信インタフェースを相互補完的に用いてマルチホップ通信するルーティングプロトコルMCCP(Mutual Complementary Communication Protocol)の研究を実施してきた。これまで,省電力,高損失環境向けの無線センサネットワークルーティングプロトコルの一つであるRPLで採用されたDODAGルーティングを適用したMCCPを実装し実証実験を実施してきたが,大学棟のような鉄骨かつ無線LANやBlueTooth等の無線端末や充電用ACアダプタ等が多数混在する環境では,無線通信,電力線通信ともに通信品質が動的に変動しやすく,ノード間のパケット受信率を表すPRR(Packet Reception Ratio)や送受信成功率を表すETX(Expected Transmission Count)といったメトリクスの使用では,複数通信路間での双方向の通信品質が頻繁に変動する場合に追従しきれないことが分かった。本論文では,高損失かつ全く異なる特性の通信インタフェースが複数使用可能なときに,複数通信路間での適切な送受信成功率を計算し,適切な送受信通信路を選択するメトリクスとしてMCETX(Mutually Complementary ETX)を検討し,前述の中継器を用いて大学棟内にて性能評価実験を実施した。その結果,従来手法では約62%であった通信到達率を約86%まで向上でき,実環境におけるMCETXの有効性を確認できた。(著者抄録)