抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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複数の歩行センシングデータを用いて建物構造を生成するためには,歩行センシングデータから歩行軌跡を正確に推定できなければならない。本稿では,右左折や蛇行を伴わない歩行が一定時間以上安定してセンシングできている区間を安定歩行区間と定義し,それに基づいて歩行軌跡を推定する手法を提案する。一般的に人は合理的に行動するため,安定歩行時には直線的な軌跡をたどると考えられる。また屋内の通路の多くは直線的である。よって,混雑した通路や複雑な形状の建物の歩行を除けば,移動の大半は直線的な歩行とみなせる。安定歩行区間の検出には角速度を用いる。検出された安定歩行区間を直線的な歩行とみなし,角速度に乗っているオフセット値を求め,ドリフトを除去する。また,多くの通路の曲がり角の角度が90度であるという建物知識を導入し,安定歩行区間同士が平行または垂直になるように歩行軌跡を修正する。さらに,安定歩行区間が一定以上の割合となる歩行センシングデータを,高精度の歩行軌跡推定が期待できる信頼性の高いデータみなす。屋内歩行センシングコーパスHASC-IPSCを用いて提案手法の評価実験を行い,歩行軌跡の推定手法と信頼性の高い歩行センシングデータの発見手法の双方で有効性を確認した。信頼性の高いデータに限定すれば,歩行軌跡末端における進行方向の誤差平均は約7度となり,90度以上の大きな誤差になる割合は約1%となった。(著者抄録)