抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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社会に様々なリスクが存在していることは,まぎれもない事実であり,社会にリスクがあるということを許容しないということは,社会を否定することでもある。原子力システムに関しては,専門家が対象システムのリスクを小さいと評価しても,そのリスク評価の結果が社会に受け入れられない理由として,リスクがゼロでなければ受入られないという場合がある。この場合は,リスク論の問題ではなく,原子力システムの持つ基本的な性質に由来するものである。一般的な爆発等のリスクは一定のリスクに納まっていれば許容できるが,放射線に関するリスクはゼロでなければ許容できない場合がある。放射線リスクへの忌避感が薄まるには,放射線に対する研究が進み,市民への知識の共有化が進んだ状況になる必要がある。どのリスクを忌避するかは,各人の価値観によるものであり,個人の価値観が異なる中で,社会として判断していくためには,目指す社会像の共有化が重要であり,社会像の共有化ができない場合には,その判断プロセスについて共有化を行い,そのプロセスに沿った判断を尊重するしかない。さらに,変化する未来に適切に対処するためには,リスクという未来の指標を用いた判断が必要である。