抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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海底から流出する油に対する油処理剤の大規模な水中散布は,2010年のメキシコ湾での石油掘削施設ディープウォーターホライズン事故で初めて行われた。流出油に対する油処理剤の効果を浮上速度の低下と拡散面積の増加と定義し,A重油と油処理剤の混合した試料を用いて水中散布に関する実験を行った。その結果,以下のような結果を得た。1)ビーカー試験により油処理剤の投入量はA重油に対して5%が適量であり,その粒径分布は30μm付近にピークが存在する。2)混合試料へ油処理剤の投入量は,振とう試験によるイオン交換水中の油分濃度と線形関係にあることをガスクロマトグラフ分析により確認した。3)油処理剤が水中で適量に散布された場合,水中に放出された油粒は浮上速度の低下及び拡散面積の増加を示す。このことから両者は油処理剤の分散化の効果を示す指標となる。4)水中散布実験で得られた油粒径と浮上速度の関係を推定式と比較し,油のみ及び油処理剤の投入量が1%の場合には実験結果と推定値はよい一致を示したが,より微細化された油粒の場合には実験値が大きくなった。限られた実験条件でデータ数が充分ではないが,油処理剤の水中散布における分散化性能について一定の成果が得られた。実験では,深さ3mの水槽の底部に設置したノズルから試料を流出させた。この時の様子を高解像度カメラにより録画した。