抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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蛍光顕微鏡は,広視野顕微鏡とレーザー走査顕微鏡との2つに大別される。これらの2つの蛍光顕微鏡について多くの超解像法が提案されているが,本文では,ノーベル賞の受賞理由となった局在化顕微鏡とSTED顕微鏡とを経介する。加えて,筆者が以前より開発してきた超解像顕微鏡である飽和励起顕微鏡についても紹介する。局在化顕微鏡は広視野蛍光顕微鏡をベースに開発された超解像顕微鏡である。局在化顕微鏡は,各発光体を異なる時間で発光させることにより,各発光体を分離して計測する。STED(Stimulated Emission Depletion)顕微鏡は,誘導放出を利用して蛍光の検出領域を狭めている。励起レーザー集光点周辺に誘導放出用の別のレーザー光をドーナツ状に配置する。励起レーザーで励起された蛍光分子のうち,励起集光点の周辺部位は誘導放出により発光し,その中心部は自然放出により発光する。このため,自然放出による蛍光のみを検出すれば,励起レーザー集光点の中心部分の蛍光分子のみを計測でき,通常のレーザー走査顕微鏡に比べて空間分解能を向上できる。飽和励起顕微鏡もレーザー走査型の顕微鏡であり,蛍光発光の飽和現象を利用して空間分解能を向上させる。蛍光分子を励起する光の強度を大きくしていくと,それに比例して蛍光の強度も大きくなるが,そのうち飽和する。