抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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海岸や湖岸の浅い砂底には,波浪の振動流がつくったウェーブリップルと呼ばれるうねり模様が見られることがある。本研究では,円筒水槽を用いて周期50秒と周期25秒の長周期の波を再現した結果,砂床が平らな状態からジャイアントリップルが形成されたことを確認した。リップルの時間変化は,初期に小さく平坦な形のrolling-grain ripplesが形成される。リップル間に渦による浮遊砂が発生しvortex ripplesに成長してからは,リップルは水平方向の移動と合体を繰り返してその数を減らし,ジャイアントリップルに成長していく。リップルが消滅する時には,両側の大きなリップルが互いに近づき,全体のリップル間隔が揃うように移動する。リップル波長および波高は,時間と共に次第に大きくなるのではなく,あるひとつのリップルが大きくなる。そして,あるリップルが次第に小さくなって消滅すると,全体のリップルが同じ大きさに揃うような形態変化をする。従って,リップル波長や波高の平均値は,リップル数が減少する時に大きく上昇する,階段状の変化を示す。実験で見いだされたこうしたリップルの形態変化は,底面付近の振動流の渦の変化に関係すると考えられる。渦は全体で同じ大きさになろうとすることで,リップル成長過程での形態変化を説明することができる。通常サイズのリップル形成をみた直線水路での実験でも,リップルの消滅過程と発生過程で,円筒水槽実験と同様のリップルの相対的な移動現象がみられた。