抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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リチウムイオン二次電池が電気自動車用に搭載されているが,より安全な固体電解質が望まれている。ここでは結晶性のリチウムイオン導電体の研究の歴史を概観し,結晶学ソフトウエアにより,新規超リチウムイオン導電体Li
4-xGe
4+1-xP
5+xS
4(LGPS)物質群の未知構造解析およびイオン導電経路の推測ができた例を示した。代表的なリチウムイオン導電体,ヨウ化リチウムLiI,窒化リチウムLi
3N,Li-β-アルミナLi
2MCl
4,La
0.5Li
0.5TiO
3,LiSiCON,Thio-LiSiCONを紹介し,リチウムイオン導電体の設計指針を説明した。その内価数の異なるイオンを導入して欠陥を生成させ,イオン導電率を高める方法でLiSiCONなどが開発されている。菅野等によりThio-LiSiCONが見出され,Thio-LiSiCON系のLi
4GeS
4とLi
3PS
4の固溶体領域に存在する1つの相で1.2×10
-2S/cmのLGPS系結晶構造を見出した。この結晶構造解析を,粉末試料から構造モデルを用いて行い,さらに中性子回折からLiイオンの位置を決定した。これによりc軸方向の一次元拡散によりイオン伝導が生じることを明らかにした。また高温ではLi
4位置のリチウムイオンがLi1とLi3の導電経路とつながり3次元の導電経路とつながることを明らかにした。粉末でしか得られない未知の結晶構造解析には,Rietveld法は有効でないので,これに代わる直接法による構造解析手法を開発中である。