抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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SNS(Social Networking Service)や情報技術の発展によって,各コミュニティが人を介して繋がりつつある状態(ネットワーク間の接続性が高い状態)になり,コミュニティ間での一貫性のなさへの圧力の影響が高まっている。本論文では,コミュニティ内での意見形成メカニズムに対するBCM(Bounded Confidence Model)を基本とし,各エージェントがn層のネットワークに所属している場合のレイヤー間のコンフリクトに焦点を当て,意見形成の様子を観察した。Erdos-Renyiモデルに基づくランダムグラフによってn層のネットワークを作成し,BCMに基づいて各レイヤーでの意見のすり合わせが行われた結果,各レイヤーでの意見の差異が閾値を超えるとエージェントは隣接するエージェントからの圧力によって沈黙する。ネットワーク間の圧力が発生する確率(接続性)と,一貫性のなさへの許容度を操作してシミュレーションを行ったところ許容度が小さい場合に意見の分散が大きくなり,接続性が高くなると一貫性のなさへの圧力が意見形成に与える影響が異なった。次に,圧力によって意見の表明を行っているエージェントの割合(圧力の効果の量)と,ネットワーク全体のコンセンサスが取れている関係性の割合(圧力の効果の質)を調べ,それらが許容度の大小によって異なり,必ずしも連動しないことを確かめた。