抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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公共の場で活動するソーシャルロボットが期待されている。ソーシャルロボットは人々の興味を引き,かつ有意義なサービス提供ができる可能性がある。しかし,興味を引かれてロボットと相互作用を始めた子供たちの行動が,ときに行き過ぎ,ロボットに対して攻撃行動を起こすことが明らかになってきた。観察実験によって,ロボットに関心を示した子供のうち,合計で117回の執拗な攻撃行動を観測した。子供たちはロボットに暴言を吐き,蹴り,叩くなどの行動でロボットの活動を執拗に妨害していた。本論文では,ロボットに対する執拗な攻撃行動を「ロボットいじめ」と名付け,この現象の緩和を試みる。この目的のために,子供のロボットいじめ行動をモデル化し,ロボットがモデルを用いてロボットいじめ行動を事前にシミュレートし回避可能にさせる。モデルを歩行者シミュレーションへ導入することで,子供のロボットいじめ行動をシミュレーション上で再現できるようにした。また,本論文では,ロボットいじめ行動のシミュレーションをロボットの将来行動の計画に用いる,というシミュレーションに基づいた行動計画方法を提案する。ロボットは,センサシステムから現在の状況を取得し,自らの行動に対して子供たちがどのような行動をして,その結果,近い将来どのような状況が生じるのかをこのシミュレーション上で検討する。このシミュレーション結果を比較することで,ロボットいじめが起きにくい行動を選択する。この「ロボットいじめのシミュレーションに基づいた行動計画」システムを構築した。実際のショッピングモールでシステムを用いた実験を行ったところ,ロボットいじめの生起を抑制できたことを確認した。(著者抄録)