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J-GLOBAL ID：201502217654705940   整理番号：15A0838398

2011年新燃岳噴火による火山噴出物および土壌の諸性質の経時変化について

A few years alteration of soil physical and chemical properties in the volcanic ejecta and buried soil by the 2011 eruption of Mt. Shinmoe.

著者 (8件)： 石塚成宏 (森林総合研 九州支所) ,  石塚成宏 (森林総合研) ,  稲垣昌宏 (森林総合研 九州支所) ,  釣田竜也 (森林総合研 九州支所) ,  釣田竜也 (森林総合研) ,  今矢明宏 (森林総合研) ,  浅野志穂 (森林総合研 九州支所) ,  浅野志穂 (森林総合研)
資料名： 森林立地  (森林立地学会誌)
巻： 57  号： 1  ページ： 19-31  発行年： 2015年06月25日 
JST資料番号： G0591A  ISSN： 0388-8673  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 噴火後1年半程度の期間に,火山噴出物がどの程度直下の土壌に影響を与えるかを調べるために,2011年1月に噴火した新燃岳の火口から3km程度の地点に5ケ所のプロットを設定し,火山噴出物と直下の土壌の物理性と化学性の経時変化を調べた。火山噴出物は概ね薄い細粒質の火山灰層と厚い粗粒質の軽石層から構成されていた。これらに含まれる水溶性イオン類や硫黄含有量などは過去の国内の火山灰より相対的に少なかった。水溶性イオンについては,陰イオンでは硫酸イオンが,陽イオンではアンモニウムイオンが優占していた。いずれの層位でも時間の経過にともなって細土中の粘土含量が上昇する傾向があり,粘土の移動が起こっていると考えられた。各堆積物の層厚や全窒素・炭素量,塩基交換容量や交換性塩基量などの経時的変化は少なかった。水溶性硫酸イオンとアンモニウムイオン,全硫黄や可給態リンなどの濃度は時間経過とともに減少する傾向が認められるものの,サンプリング時期によるばらつきが大きく,その傾向は明瞭ではなかった。2011年8月のサンプルではリン酸吸収が認められなかったのに対し,2012年9月の1年半後のサンプルではリン酸吸収が認められ,それと同時にシュウ酸可溶アルミニウムの濃度上昇とピロリン酸可溶アルミニウム/シュウ酸可溶アルミニウム比の上昇が認められた。土壌への物質負荷は,薄い細粒質の火山灰層より厚い粗粒質の軽石層からの方が大きく,時間経過とともに軽石層からの物質負荷量の寄与が相対的にさらに大きくなる可能性が指摘できる。(著者抄録)

シソーラス用語： 火山 ,  *火山噴出物 ,  *経時変化 ,  土壌特性 ,  *土壌物理特性 ,  *土壌化学特性 ,  地層 ,  イオン ,  硫酸イオン ,  アンモニウムイオン ,  含有量 ,  森林被害 ,  速度 ,  リン ,  土壌成分
準シソーラス用語： 可給態リン ,  火山灰層 ,  新燃岳 ,  水溶性イオン ,  *土壌化学性 ,  *土壌物理性 ,  粘土含量 ,  風化速度

分類 (3件)： 土壌調査  (FB04080U) ,  火山地質学一般  (DE07070L) ,  自然災害  (RA02030M)

引用文献 (38件)：

• 安部哲人・山川博美・重永英年(2013)霧島火山群新燃岳の2011年噴火による植生被害調査.九州森林研究66:40-41.
• 赤木誠司・山本雅弘(1995)雲仙火山1990-94年の火山活動に伴う火山灰水溶性物質岡山大学地球科学研究報告2:55-62.
• 明石諌男(1965)降灰地の土壌の変化.林業試験場研究報告182:782.
• 朝比奈貞一・三宅泰雄(1935)火山化学(第一報)火山灰の水溶性成分(其の一).気象集誌2:549-554.
• 地質調査総合センター(2011)霧島山新燃岳2011年噴火情報. https://www.gsj.jp/hazards/volcano/kirishima2011/index.html.(2015年1月6日閲覧)

タイトルに関連する用語 (6件)： 新燃岳 ,  噴火 ,  火山噴出物 ,  土壌 ,  性質 ,  経時変化