抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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(独)農業・食品産業技術総合研究機構が作成した全国1kmのメッシュ農業気象データを用いて,日々の積雪水量を推定する実用的なモデルを開発した。入力データはメッシュ農業気象データにより作成される日平均・最高・最低気温,日平均風速,日平均湿度,日積算全天日射量,日積算下向き長波放射量,日積算降水量である。推定精度の確保,広域の計算結果の迅速な提供かつサーバでの計算負荷の軽減の条件を満たすために,モデルは半日ステップで熱収支的に積雪水量を推定する構成とした。その主な特徴は,(1)昼夜に分けることで,日積算値では相殺される正負の熱流量の推定をしていること(2)全国の過去の時別値より昼間と夜間の風速の違いを求めた分布図を作成し,日平均風速から昼間平均風速と夜間平均風速を推定することによって,顕熱および潜熱交換における地域的な差を表現している点である。2010年~2014年の気象官署・アメダスの積雪データで検証した結果,推定された積雪日数のRMSE(平均二乗誤差)は10.2日~15.6日,10日以上継続した積雪の消雪日のRMSEは7.8日~13.3日であり,一定の精度で各地の積雪水量を推定できることがわかった。また,これらの誤差の主因は降雪水量の推定誤差であると推定された。(著者抄録)