抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,自動車の車間距離制御の動向とその考え方について述べる。自動車の車間距離制御には,縦方向の自動運転制御である車間距離制御装置(ACC)や,通信利用協調型車間距離制御装置(CACC)がある。自動車の車間距離制御では,単に自車と前走車間の車間距離を維持するだけでなく,車群としての安定走行ができなければならない。それは,ある車両の車間距離の変動の影響が,後続車に増幅伝搬しない制御ということであり,ストリングスタビリティと呼ばれている。ACCは,車両単体で実現できる車間距離制御技術であるが,センサ誤差,乗り心地など,加速度応答特性を考慮した制御パラメータの設定とストリングスタビリティの両立を考えた場合,車間時間hを大きな値に設定せざるを得ない。そこで,ACCの高度化として,車間距離制御に車車間通信情報を用いるCACCの開発が進められている。車車間通信を用いることで,車間時間hを小さく設定しても容易にストリングスタビリティを満たすことが可能となり,より短い車間距離での走行が可能となる。自動車の自動運転の実用化が現実のものとなりつつあり,その大量普及時の交通容量を決めるのは車間距離制御である。自車が安全に走行するのであれば,車間距離を十分に長くとれば良い。しかし,すべての自動運転車が過度に通常走行時の車間距離や,停止後の再発進時の車間距離を過度に大きくとれば,交通容量は現状よりも小さくなってしまう可能性がある。CACCのような通信を用いた車両同士の協調技術は,車間距離制御機能を有する自動車の大量普及時に,より効率的な交通を実現するために必須の技術である。