抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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半閉鎖性湾である富山湾は,平均水深約600mの深い湾であり,岸から直ぐに急峻に深くなる特徴を持つ。このため,上から沿岸表層水・対馬暖流水・日本海固有水の3層構造であり,この季節変動が,湾内の水温・塩分の平面・鉛直分布,流れ,そして自然生態系や海洋汚染状況等に大きな影響を与えている。富山高等専門学校の練習船「若潮丸」のCTD,ADCPシステムによる,2005,2012年の富山湾の海洋観測データを解析することにより,富山湾の水塊構造と,これによる海水流動の季節変動特性を把握した。また,富山湾南部では,盛夏の時期に,直径が約20~30海里(37~56km)の反時計回りの渦が発生することが分かった。この渦流は,夏季に上層が成層することにより,冬季より小さくなった内部変形半径により対馬暖流が富山湾西部の岸沿いに流れ,これに河川水流入が加わることによって発生し,維持されるものと考えられる。(著者抄録)