抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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船舶では船体表面に生物付着が生じることにより船体摩擦抵抗が増加し,燃料消費量を増加させることがある。そのため,一般的には船体への生物付着を防止するために船底防汚塗料が塗装されている。本研究では,防汚剤型(AF)防汚塗料に対するラボレベルでの防汚効果評価手法を構築し,その妥当性を検証するために,塗料組成中の亜酸化銅(Cu
2O)配合量を系統的に変えた防汚塗料6種類を用い,実海域静置浸漬試験とラボ試験における生物付着状況を比較した。防汚塗料の防汚効果を評価するラボ試験法を構築するため,代表的な付着生物であるムラサキイガイを選定し,厳密に管理された実験室下で生物付着試験を実施し,実海域静置防汚試験の結果と比較を行った。実海域静置浸漬試験の動物種汚損結果は,Cu
2O配合量30wt%以上で十分な防汚効果を示した。ラボ生物付着試験の結果は,防汚塗料のCu
2O配合量が増加するに従って生物付着は減少する傾向にあり,統計的手法と足糸形成率で防汚効果を評価したところ,10~20wt%の境で防汚効果を発現すると考えられた。最終的には,防汚効果の判断基準として平均足糸形成率が25%以下で評価した結果,Cu
2O配合量30wt%以上で明確な防汚効果があると判断した。この結果は,年間を通じて最も生物付着が多かった時期の実海域静置浸漬試験で十分な防汚効果を示したCu
2O配合量と同じであると考える。