抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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重力調査は,重力異常図の作成までの作業が一般的であったが,より発展的な使用法として重力基盤を算出することで,定量的な構造把握が可能になる。ここでは,地震被害と重力基盤の関係を,中国雲南省で1996年2月3日に起きた麗江(リージャン)地震とトルコで1999年8月17日に起きたKocaeli(コジャエリ)地震を事例として示した。いずれの事例でも重力異常は線状に延びた低重力帯によって特徴づけられ,大きな地溝帯に発達した基盤深度の深い盆地構造を示した。麗江盆地は,堆績層の最大の厚さは2kmに達すると見積もられた。地震被害の大きかった地域は,低重力帯の西側の縁に存在し,東側に比べ大きな勾配を持っており地震断層(活断層)の可能性がある。地震被害の大きかったアダパザル市街地は,基盤岩が南の山体から逆断層によって1km以上落ち込む盆地境界の北側に位置することが判った。最後に,重力基盤に対して平面S波入射を想定した地震波エネルギー集中度の計算例を紹介し,重力基盤調査の有効性を示した。(著者抄録)