抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは伝統芸能である薪能のデジタルミュージアムの実現を目指し,舞台周りの薪の揺らめく炎によって照らされる能装束の異方性反射特性をリアルタイムに再現する手法を提案した。本論文では,舞台,照明,音楽,演技,装束,面などを含めて1つの作品をなす薪能をデジタル技術を用いて再現するために,これまで考慮していなかった能の演技を取り入れた。具体的には,モーションキャプチャによって演者の動作を取得し,バネダンパモデルによる能装束の内側を透明,演技において見える手,足,頭,着付を不透明に配置した人体モデルに能装束を着せた。リアルタイムに動かすために格子状の4角ポリゴンモデルで簡略化し,人体アニメーション及び能装束の変形シミュレーションを行った。能装束表面の綾織,朱子織,金襴部分はBRDF(Bidirectional Transmittance Distribution Function)を拡張した双方向テクスチャ関数に基づき,異方性反射を解析・モデル化した。また,薪能における照明(炎)は取扱いが容易な手続き型テクスチャで表現し,IBL(Image Based Lighting)レンダリングの計算コストを減らすために炎のアニメーション画像と能舞台上周りの照明環境を環境マップとして利用した。デジタル薪能を実装したところ,装束の変形による炎の映り込みの変化などを表現できた。