抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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最近,電界効果トランジスター(FET)の微細化に関する要請が増大し,ヒレ構造やナノワイヤー等の3次元チャネル構造から成る相補型金属酸化膜半導体(CMOS)構造が注目されている。微細化を困難にしている要因として,トランジスターのしきい値電圧の低下に伴うオフ電流の増大,即ち,短チャネル効果,がある。これまでは,CMOSを構成するゲート及びゲート絶縁膜は,チャネルの片側から電圧を印加する平面構造であったが,3次元チャネルの場合には,チャネルを3次元的に包み込む構造によって電界効果を高めることができる。それにより,トランジスターの高速動作や低消費出力化が期待される。3次元チャネル構造においては,シリコン高指数面と絶縁膜との界面が重要となる。従って,シリコン高指数面の特性を理解し,制御することがFETの性能向上において非常に重要である。本稿では,デバイス作製に直接的な知見を与える応用研究とシリコン高指数面の酸化反応というデバイスの構築に関与する基礎研究の両面から,最新の研究成果を概説する。熱的に酸化したSi表面における界面トラップ密度(D
it)を,(001),(111),(110),(120),(331)および(113)方位について系統的に研究した。(113)基板上におけるSiO
2/Si界面に関する構造モデルを,光学測定の分析に基づいて提案した。(113),(120)および(331)方位を持つ高指数シリコン表面に関する高温での初期酸化プロセスを,x線光電子分光法によって研究し,得られた結果を(001)方位の場合と比較した。高指数シリコン面に関する単分子層酸化は,Si 2pおよびO 1sの内殻準位における化学シフト,および酸化膜の厚さ,酸化物の組成およびバンドの曲がりによって評価できることが分かった。