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J-GLOBAL ID:201502262264063950   整理番号:15A0125906

フェムト秒X線パルスによって1.95Å分解能で明らかにされた,光化学系IIの本来の構造

Native structure of photosystem II at 1.95Å resolution viewed by femtosecond X-ray pulses
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巻: 517  号: 7532  ページ: 99-103  発行年: 2015年01月01日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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光合成は,光のエネルギーを生物学的に有用で地球上の生命に不可欠な化学エネルギーに変換する。光合成の最初の反応が行われるのは,700キロダルトンの膜タンパク質複合体である光化学系II(PSII)ホモ二量体で,これが酸素発生複合体(OEC)のS状態の遷移サイクルを介して,水の酸素分子への光酸化を触媒する。PSIIの構造は,X線回折(XRD)によって1.9Åの分解能で解明されており,OECは明確に定まった周囲環境内のタンパク質によって配位されたMn4CaO5クラスターであることが判明している。しかし,広域X線吸収微細構造(EXAFS)の研究によって,OECのマンガン陽イオンがX線照射によって容易に還元されることが分かり,また,XRD,EXAFS,理論研究によって得られたMn-Mn間の距離には,わずかな違いがあることが見つかった。今回我々は,好熱性シアノバクテリアであるThermosynechococcus vulcanusから精製したS1状態のPSIIについて,X線自由電子レーザー施設SACLA(SPring-8angstroem compact free-electron laser)のフェムト秒X線パルスと数百個の大型で同形性の高いPSII結晶を用いて,PSIIの「X線照射による損傷のない」構造を1.95Åの分解能で明らかにした。XRDで得られた構造と比較すると,X線自由電子レーザーによって得られたOEC構造では,Mn-Mn間距離が0.1~0.2Å短かった。各マンガン原子の原子価は,Mn-リガンド距離の平均とMn(III)のヤーン・テラー軸の解析に基づいて,Mn1D(III),Mn2C(IV),Mn3B(IV),Mn4A(III)と推定した。オキソ架橋酸素の1つであるO5は他のオキソ酸素原子に比べ,Mnとの距離が著しく長いことから,O5は通常の酸素ジアニオンではなく水酸化物イオンであり,基質酸素原子の1つとなっている可能性が示唆された。これらの知見によって酸素発生機構の構造基盤が明らかになった。この構造は,水の酸化を行う人工触媒の設計への手掛かりになるだろう。Copyright Nature Publishing Group 2015
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分類 (2件):
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分子構造  ,  光合成 
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