抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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SUS304鋼を対象に塩化マグネシウム液滴を用いた加工硬化材と溶体化処理材の応力腐食割れ(SCC)試験を行い,液滴内で発生するき裂のその場観察をアコースティック・エミッション(AE)及びビデオマイクロスコープ(VMS)により行った。VMSで観察された表面き裂進展挙動とAE発生挙動は対応せず,AEは加工硬化材のき裂進展後のき裂上に発生する水素バブルに対応し,溶体化処理材では検出されなかった。試験後にX線CT及びSEMによる断面観察を行ったところ,加工硬化材と溶体処理材ではピットの発生挙動が異なり,加工硬化材ではき裂内部に溶体化処理材ではき裂表面に発生していた。さらに加工硬化材及び溶体化処理材とも,き裂先端は接液している表面ではなく内部であった。検出されたAEは,き裂内部に閉じ込められた水素ガスの吹き出しによるものであり,SCCの進展なしには検出されない信号であるが,直接のSCC進展や力学的な条件によって生じたものではなく,腐食と組織因子との相互作用で生じたもので,音を聞いて現象を推定するAE解析の難しさが示された例となった。(著者抄録)