抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2011年東北地方太平洋沖地震における太平洋沿岸の津波被害の程度は,津波浸水域の地形や土地利用などの地理的特質が大きく影響している。本稿では,仙台平野と石巻平野の海岸線から7kmまでの範囲について,津波被害度と津波浸水深のより定量的な解析結果を加えて解析した。重ね合わせて解析したデータは,地形分類ポリゴンデータ,国土数値情報の土地利用細分メッシュデータ,LiDARDEMデータ,津波被害状況別ポリゴンデータ及びMMSと現地調査で求めた津波浸水深である。この解析結果によると,建物がほぼ流出するような壊滅的な被害域(流出域)については,浸水深が3~4m以上で,海岸線からほぼ1~1.5kmまでの範囲に限定され,標高よりも海岸線からの距離との関連性が高い。一方,瓦礫で覆われるような建物等の破壊が認められる地域(破壊域)は,海岸線から2~3kmの範囲で,標高1m以下,浸水深は1.5m以下であった。浸水が認められる地域(浸水域)は,海岸線から3~5kmの範囲で標高2m以下,または標高差が1m程度ある地点で,概ね標高で決まるが,人工構造物が影響しているという結果が得られた。