抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高度なスキルを実現するための身体知を直感的に理解しやすい形式で共有できれば,コツや技能の習得を促進できると考えられる。本論文では,物事の様子や動作を簡略的かつ直感的に表現できるオノマトペに着目し,身体動作とオノマトペの関係性に関する基礎的な調査を行った。技能の差異が文字の審美性や芸術性に大きな影響を与える硬筆書道を取り上げ,筆記技能の言語化を目指して筆記特徴量とオノマトペの関係性を分析した。まず,送筆時の筆記表現として多用される7つのオノマトペをイメージさせながら,基本筆記である横棒と縦棒を12人の被験者に描かせたデータを取得し,平均筆圧と平均筆速によって7つのオノマトペ・クラスの分類を試みた。SVM(Support Vector Machine)で構成したマルチクラス分類器を用いて平均正答率を求めたところ,最大でも50%を超えずに筆圧と筆速での分類は難しいことがわかった。一方,統計的検定では,1)濁音が付加されると他のオノマトペに比べて筆圧を与えること,2)「しゅっ」は「すっ」に比べて速い筆速を与えること,3)7つの中で中程度の筆圧を示した「すーっ」はそれ以外とに有意差があることが認められた。また,被験者ごとの標本でも分析を行い,検定の有意傾向や筆圧・筆速でのオノマトペの大小関係に被験者の個人性があることが示唆された。