抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
消費者の食に対する安全・安心に対する関心は依然として高い。その安全・安心な農産物の一つに有機農産物がある。有機農産物の生産拡大は消費者の食に対する安全・安心に応えられる一つの方策である。しかしながら,有機農産物を生産している有機農業経営者の経営に対する現状や将来に対する意識の把握が進んでいるとは言いがたい状況にある。そこで本研究では,有機農業経営者を対象とした意識調査を行った。また,その結果を基にして,有機農業経営者が持つ有機農業経営の現状や将来方向に対する潜在的な意識について因子分析を適用して解明を試みた。それらの結果,本研究では,有機農業経営者の意識として,「消費者に安全な農産物を提供したい」という意識や「地域の環境にも優しい農業を心がけている」といった意識が高い一方で,行政の支援が十分でないという意識が明らかとなった。また因子分析の結果では,「収益性」「公的支援」「マーケティング」「経営外部効果」「人・地域づくり」といった因子が抽出された。さらに経営の属性ごとの潜在的な意識を明らかにすることを目的として,因子得点の平均値とカテゴリー間での違いによる解釈を試みた結果,有機農業生産の支援施策においては,一律に施策の設定を行うのではなく,経営形態等の違いによる柔軟な対応が求められていることを定量的に明らかにした。(著者抄録)