抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水田経営の担い手として,今後増加が予想される大規模経営体が,多数の圃場で飼料イネ‘たちすずか’を栽培する場合に,地力である可給態窒素を評価して施肥窒素量を合理的に決定できる手法を開発した。また,飼料イネ栽培時の施肥管理上の留意点を明らかにした。1)施肥窒素量と土壌可給態窒素量と堆肥窒素無機化量の総和である合計窒素量と‘たちすずか’の乾物収量との関係から,目標乾物収量を10aあたり1,500kgとした場合に必要な合計窒素量は同30kg程度と考えられた。これにより圃場毎の土壌可給態窒素量を評価することで合理的な施肥窒素量の決定ができると考えられた。2)飼料イネ栽培で堆肥を施用しない場合,土壌可給態窒素量およびカリウム飽和度の低下,塩基バランスの悪化が認められるため,飼料イネ栽培では堆肥施用が必須の肥培管理と考えられた。堆肥を連用しても,土壌や飼料イネ中にカリウム蓄積は,多くの場合に認められなかった。3)化学肥料や堆肥の増施は飼料イネの乾物収量を向上させるだけでなく,タンパク含量を増大させてケイ酸含量を低減させるため,飼料イネの飼料価値向上につながると考えられた。一方で,これらの増施によってカリウム含量も増大するが,多くの場合に2%以下でカリウム過剰は問題にならなかった。生産現場において,増施は硫安や尿素等の単肥を用いた方が低コストと考えられた。(著者抄録)