抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高分解能で積雲規模の過程を的確に表現できる非静力学モデルを使った台風の研究が近年精力的に行われている。しかし,このモデルでも水平分解能は数百m以上で個々の積雲に伴う鉛直循環,降水過程,境界層の乱流渦などを正確に表現するまでの能力を有せず,パラメタリゼーションに依存している。つまり,雲や降水過程などの小規模現象をどこまで再現できれば満足かと言う問題はモデルが高分解能化しても常につきまとっている。台風予報の現状及び台風強度に対する積雲加熱の役割を説明した。台風観測の現状と問題点では,予測モデルの性能が向上しても,初期値や境界値の精度が向上しなければ予報精度の向上は見込めない。詰り,高分解能モデルに見合う観測データの取得とその同化技術の確立も必要になって来る。具体的には台風の中心付近,特に最大接線風が現れる壁雲周辺のデータが必要であるが,米軍による航空機観測が終了した1987年以降取得されていない。これに対しては,無人機を使う将来展望が存在する。また,ドップラーレーダから推測した接線風速を使用する試みも行われている。