抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地盤工学会北海道支部では,「気候変動に伴う積雪寒冷地の地盤災害リスクに関する研究委員会」を設立し,事例収集・課題検討を行っている。本稿では,その一環として,検討基礎資料のために取りまとめた北海道の実効雨量の地域・年代的特徴,積雪期の降雨特性について報告した。一般に土砂災害・降雨関係の指標では,気象庁の「土砂災害警戒情報」発令時に用いる「土壌雨量指数」,比較的簡単な「実効雨量」がある。降雨特性の地域差,年代差に着目し本研究では,この降雨指標のモデル比較を示し,実効雨量を採用した。この実効雨量の日本の各地域別の確率年数で比較した結果,次の知見を得た。1)実効雨量では,大部分地域が北海道の1.5倍から2倍以上の雨量指数で,その年代別特徴は年ごとに不規則なことから全体的に一義的な関係は見られない。2)地域別に最近10年間に注目すると,北海道は大きな変動は見られないのに対して,北海道から南下するほど降雨リスクが高まる傾向にある。3)北海道22地点の融雪期の降水量では,札幌を含め2000年頃から明らかな増加傾向にあり,道央,道東地方の増加が顕著で,特に道東地方は近年の変化が激しい。