裏磐梯毘沙門沼への流入水量の長期モニタリングを行い,集水域内における雨水の貯留・流出過程の推定に取り組んだ。日野・長谷部(1985)のフィルタ分離法によって流入表流水データをその逓減特性によって分離した結果,集水域内の主要な貯留・流出過程は4つあることが判明した。さらに,Kobayashi and Yokoo(2013)及び千葉・横尾(2015)にならい,Kirchner(2009)の手法によって主要な4成分それぞれの雨水貯留量を推定した結果,逓減率が小さい2つの流量成分に関する貯留量で流域内の雨水貯留量変動が説明できることが分かった。