抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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余効変動の時系列は,一般的に対数もしくは指数減衰関数により適合が取られる。しかしながら,2011年Mw9東北沖地震についての高品質の全地球航法衛星システム(GNSS)の余効時系列は,余効変動の挙動を表わすために単一の減衰関数を使用することができないことを示した。したがって筆者らは,対数(log)と指数(exp)減衰関数を組み合わせ,そのような複雑な関数に対する非線形最小二乗計算を使用した汎用解を得るための方法を開発した。筆者らのモデルは,余効時系列の適合性能と余効変動の進展の予測性能を大幅に改善した。提案したモデルと方法によって得られた解は,logとexp関数の寄与間の区別と地震の直後に発生して隆起に逆転した地盤沈下などの特性現象についての説明を可能にした。解の分析は,東日本における余効変動への粘弾性緩和の寄与が継続的に増加し,一方で余効滑りの寄与が急速に減少していることを示唆している可能性がある。東北沖地震への提案モデルの短期予知性能と汎用性は,東海地域のスロースリップイベントの検出に貢献した。筆者らの結果は,各地表地点に対する独自の単一緩和時間の存在よりもむしろ,与えられた地表下の位置におけるそれぞれの余効変動メカニズムに対する独自の単一緩和時間を示唆している。予測は,割り当てられた定常速度と長期的な緩和時間定数に大きく依存しているが,それらは宮城県矢本観測局の地震時沈下が2020年頃に回復するだろうことを示している。現行モデルの推定緩和時定数は,東日本全体にわたって一様であるように見える。(翻訳著者抄録)