抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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サンゴ礫混じり土は,フィンガーコーラルに代表されるサンゴ礫が,シルト質からなるマトリックスの中に介在した土である。サンゴ礫が少なければシルトが支配的な力学挙動,サンゴ礫が多ければシルトとサンゴ礫との複合的な力学挙動が現れる複雑な地盤材料である。筆者らの既往の研究では,シルトマトリックスにサンゴ礫(粒子寸法を9.5~37.5mmに限定)を配合してサンゴ礫体積含有率をパラメータとする再構成試料を作成し,これに対して一連の三軸試験を実施した。その結果,サンゴ礫体積含有率が20%以上になるとサンゴ礫のかみ合いや粒子破砕の影響がせん断挙動に強く表れることがわかった。しかしながら,原位置にあるサンゴ礫混じり土の場合,サンゴ礫の形状や寸法は多様であり,かつ,シルトマトリックスが不均質であることから,人工的に配合して準備した再構成試料とは異なる複雑な力学挙動が現れることが予想された。そこで,本研究では,複雑な骨格構造を有するサンゴ礫混じり土の力学挙動を支配する統一的なパラメータを見いだすことを目的として,不攪乱試料として採取した高品質試料に対して一連の三軸CD試験を実施し,得られた試験結果について多角的な視点から考察した。その結果,粒径がシルト粒子以下の細粒分を間隙と見なし,粒径が砂以上の粗粒分がサンゴ礫と共に骨格を形成していると評価した骨格間隙比によって,再構成試料のみならず各地から採取した不撹乱試料も含めて,多様なサンゴ礫混じり土の力学挙動を統一的に説明できることを明らかにした。(著者抄録)