抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ディーゼル機関の課題の一つに低温始動性の改善が挙げられる。本文では,低温条件下においてディーゼル機関のクランキング時の燃料噴射条件を変更して始動実験を行い,燃料噴射条件が機関始動性ならびに未燃炭化水素,アルデヒド類の排出特性に及ぼす影響について調査した。得られた知見は次の通りである。1)クランキング時の未着火サイクル数の増加に伴い,始動時間が長期化することから,低温条件下における始動の長期化は未着火サイクルによるトルク低下の影響が大きい。2)未着火気筒では,残留ガス温度が低いことや壁面付着燃料の蒸発による圧縮端温度の低下により,次のサイクルの着火性が低下する。3)パイロット噴射時期を進角させると,パイロット燃料がピストンキャビティ外部に拡散し着火性が低下する。また,パイロット噴射割合が少ない場合は拡散後の空気過剰率が高くなり,多い場合は燃料の蒸発潜熱により筒内温度が低下するため,着火性が低下する。4)排気ガス中の低級炭化水素は,始動が長期化するほど始動時の排出濃度が上昇する。5)排気ガス中の高級炭化水素の内,軽油由来の低炭素数成分は始動が長期化するほど始動時の排出濃度が上昇する。6)始動時のアルデヒド類濃度は始動時間よりもクランキング時の着火安定性の影響が大きい。