抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
日本において水利用の67%が農業用水として利用されており,食料生産の影響が極めて大きい。農業地域の水質汚染の問題は,農耕地での施肥由来の地下水汚染(面源),畜産業・生活由来の水質汚染(分散した点源),農業系廃棄物による水質汚染(潜在的な有価物)に要約できる。分散した汚染物質排出源に対応した「面的な水再生技術の開発」および多様なバイオマス資源に対応した「カスケード型資源循環システムの開発」という全体コンセプトのもとでの研究について紹介した。その成果として,これまで対策が困難であった農耕地での施肥由来の地下水汚染を制御できるようになるとともに,一体化したシステムとすることで,農業地域で自律的に成り立つ地下水汚染対策の仕組みになることの期待や,農業系廃棄物による水質汚染に対して,加工残渣や廃水を水質汚染源ではなく潜在的有価物ととらえ,これらを循環中に排出せずにカスケード的に循環利用するシステムについて説明した。ある場所ではごみであったものを別の場所で宝として有効活用する新しい発想と,それを実現する技術とシステムが必要である。